会社の経営を観察する際に、収益性に注目することは大切になりますが、優良会社の収益性を支えているものが生産性の良さといえます。生産能率の良し悪しを生産性といい、生産性の分析は収益性の分析を捕捉するものでもあります。生産性は生産要素の投入高に対し、どの程度の産出高があるのかを見るものですから、本来であれば原材料重量、消費電力、製造時間などを見て物量的に把握されるものであります。しかし、財務諸表などを利用した外部分析においては、物量を把握することは困難になりますから、金額によって分析することになります。
投入要素を見るものとしては労働と資本が、産出高としては付加価値、売上高、生産額などがあります。付加価値を計算する場合には、売上高または生産高から外部から購入したものの原価を差し引く方法である控除法と、当期純利益・法人税等・支払利息・人件費・減価償却費・賃借料などを集計する方法である集計法との2つの方法があります。